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2011.07.17 Sunday  音楽のれぽうとだy−ーーーーーーー

 課題3 エレクトロニクスを生かした20世紀前半のモダニズム音楽について


授業内でオンド•マルトノの音色が教室内に流れはじめた時、一瞬で心を奪われてしまった。音に区切りがない、例えばドとド♯の間の音の美しさ、音のつながりの美しさと不思議な音色。電子音である事は明らかなのだが、現在のシンセサイザーとは全然違う、すごく人間的な音色が魅力的だと感じた。オンド•マルトノの音が流れはじめた最初、私は、テルミンの音色と勘違いしていた。しかし聴きいるにつれ、テルミンには不可能な音のキレや、音程のきりかえが聴こえてきた。この楽器は一体なんなのか、空気振動のようなのに、鍵盤のようでもあり弦のようでもある、一体どういう構造なのか、とても興味を持ったので今回はこの楽器と、オンド•マルトノが主役として出てくる代表的な曲、オリヴィエ•メシアンの「トゥランガリーラ交響曲」を挙げて考察する。トゥランガリーラ交響曲 は、オンド・マルトノを用いる曲としては最も演奏頻度の高い曲であり、またピアノと並んでソロ楽器として扱われるため聴衆に与える楽器の印象は強い。この楽器の特徴は、本体が音をつくりあげていくこと、演奏しながら直接操作していくというのが1つの特徴である。音程に関して、まず私が非常に面白いと感じたのは、ビブラートのかけ方である。モーリスラベルのすすめによってフローティング構造になった鍵盤は、少しういている構造になっていて、鍵盤を左右に揺らすと音程がかわるようになっている。それによってビブラートを生み出す事ができる。どのようなビブラートをかけたいかは、バイオリンの発想と全く同じで、ヒステリックなビブラート、幅の広いビブラートなど、演奏者の意思によってビブラートを操作できる鍵盤である。また、ワイヤー(リボン)が鍵盤の前にはってあって、音の高さを演奏者の好きなように操作できる。こちらは鍵盤ではできないグリッサンドができることが特徴で、チェリストでもあるモーリス•マルトノらしさがでていると感じた。トゥランガリーラ交響曲ではこのオンド•マルトノのビブラート、グリッサンドが特に第3楽章においてとても心に響いてくる。また、第5楽章および第10楽章の終盤には、オンド・マルトノのパートにピアニッシモから始まってフォルテッシモに至る長い伸音でのクレッシェンドがあるが、この音の立ち上がりを柔らかくし、なおかつヴィブラートは鍵盤よりもリボンの方が効果的にかかるため、特にグリッサンドやポルタメントを伴わないにもかかわらずリボン奏法をしているところも非常に面白い。音色に関してだが、オンド•マルトノは、ぽーという丸い音をはじめ、のこぎり派のような尖った音なども出すことができる。現在のシンセサイザーと違うなと思うところは、音を「切り替える」のではなく、「音を加算していく」、少しずつ音がたされてくという感覚がするところである。また、現在のシンセサイザーに比べると、音色が少ない、つまりボタンの種類は少ない。しかし、だからこそこの少ない種類をつかって、演奏者のイマジネーションと演奏の仕方で無限に音色をつくりあげるというところが、オンド•マルトノの最大の魅力であり、人間的な部分なのではないか。電子をエネルギーにしているが、人間のパワーをつかっている、それが、オンド•マルトノが、あたたかみがある 人間の声のようだといわれる原因なのではないかと思う。それぞれの演奏者が音色について考え、音色をつくっていく。演奏者に音色をゆだねる機能が存在するから、クリエイティブをふくらませることができる、そこが非常に人間的な楽器である。2楽章や第4楽章では特に、同じフレーズを繰り返す箇所でも微妙に音色指定を変えていることを感じることができ、この楽器の魅力をよく使った表現であると言える。また、曲中でも魅力を発しているのは、「楽器自体が響きをつくっている」という事である。モリス•マルトノが個性的だなと私が思うのは、彼が初期から、作った音をどの様に響かせるかという空間プロドュースを考えていたという点である。スピーカーは音の増幅器でしか無い、という概念を無くし、音の拡張装置に4種類のスピーカーを用いているのが特長で、アコースティック感のある音と非常にインパクトのある外観とをもたらしている。銅鑼を利用したメタリック、共鳴弦の張られたパルム、残響音が美しいリバーブ、音色のベースとなるプリンシパルの4つである。例えばパルムなどは、弦と奏者を間接的に共鳴させる、とてもユニークな発想だ。この弦のスピーカーは、それ自体が楽器のようなもので、ギターをたてているようなものだ。演奏者は普通、指を使ってギターを演奏するが、それを遠隔操作で電気のみえないパワーで演奏しているイメージである。音色がちがえば響き方や、アタックの仕方がかわってくる、そのときどきによって演奏者が違う表情を生み出す事が可能となるので、音をどう響かせるかというのも演奏家が思い描き実現することができるのである。モーリス•マルトノはこれを1920年初期の段階から考えていたんだから、すごく個性的な人物である。オンド•マルトノを発明した同年1928年パリのオペラ座で初めての公開演奏が行われ、今日にある様々な電子楽器と共有出来るのは、電気的発信、増幅のみであり、オンド•マルトノのあらゆる音楽的表現は、演奏者個人の人間的な部分、精神、頭脳、肉体にゆだねられている。オンド・マルトノの表現能力は多くの作曲家や群衆を魅了し、今や1000を越す重要なレパートリーがソロからオーケストラ曲に至るまでフランスを中心に演奏されてる。独自の音世界を作り出せるこのオンド•マルトノは、トュッシュ、鍵盤、リボン、スピーカーの絶妙なバランスで、空間的で無限大の音色を作り出す。オーケストラの楽器の音色と混ぜる従来の管弦楽法的な使い方のほか、低音部でのグリッサンドなどを、効果音として打楽器のようにオーケストラを補助する音色として使うこともできる。そして演奏者の内面をも空間に響かせる素晴らしい楽器である。メシアンの曲としては他にも、初期の組曲「美しき水の祭典」、「神の現存の三つの小典礼」、歌劇「アッシジの聖フランチェスコ」などでもオンド・マルトノを用いている。オンド•マルトノがモダニズム音楽においてもたらした影響は多大なものである。


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